Love@sea
「…わかった。手離すから、何があったのかちゃんと言って」
「……。」
朱莉は今にも泣き出しそうな顔をして
無言でうつむいてしまった。
下から覗きこんで
優しく声をかける。
「朱莉?どした」
「…ひ…」
「ひ?」
「ひ、ひもが…ほどけちゃったの…。ビ…ビキニの。」
びきにのひもがほどけた?
…ビキニの紐が解けた⁉
そういうことか…
俺は朱莉の正面に
自分のパーカーをかけた。
「ごめん、朱莉。自分のパーカー脱げる?」
「えっ⁉」
「前は俺のパーカーで隠して。パーカー脱がないと結べない。」
「ちょっ、ちょっと待って!…晴樹が、結ぶの?」
「いや?」
「いや…じゃないけど、さぁ…」
「じゃあなに。朱莉はそこら辺の知らないおっさんに結んでもらう方がいいの?
自分で結んでもまた解けるだろうし」