花びらとともに、散りぬるを。
「香澄ちゃん!こちらこそよろしく~♪」
とりあえず一安心。
これでなんとかやっていけそうだ。
すると今度は隣から。
「やった~!
佐藤さん勉強教えてね!」
と笑顔で声をかけてきたのは、松本くん。
「いいよ~」
私も笑顔で返事をする。
松本くんは、左隣みたい。
じゃあ、右隣は…?
そう思った時。
「お、佐藤さんじゃん。よろしく」
トクン。
心臓がいつもとは異なった音をたてた。
…隣、佐々木くんだ。
「おー、よろしくねー!」
私もそういい何ともないように軽く微笑む。
そう、この席替えが。
今まで『眺めていた』だけの佐々木くんを好きになるきっかけとなるのだった。