花びらとともに、散りぬるを。


…えーっと、こうかな?

こう見えて私は数学が得意だったりする。


ふーっと息をはき、顔を上げると佐々木くんと目があった。


正面からまじまじと顔をみれるのはこの時くらいである。

脈を打つペースが少し上がっているのは気のせいだろうか…



「問題…解けた?」

私が聞く。


「一応。 18?」

佐々木くんは自信なさげに答える。


「あ、私も!良かった~」

そういい、お互い微笑む。
最近はこのように、答え合わせをするのが数学の時間のお決まりとなっていた。


「解けない!見せて~?」

と可愛い顔で振り向く加藤くん。

「見るのはな~?
どこ分からない?教えてあげる!」

佐々木くんと答えを確認しあった後は自信を持って教えてあげられる。


途中まで教えると、
「なるほど!」
といいまた前を向いてしまった。


「分かったならお礼は?」


「…ありがと」


最近は照れながらお礼を言う加藤くんを見るのも楽しみの一つであったりもする。


< 19 / 98 >

この作品をシェア

pagetop