花びらとともに、散りぬるを。
「いや、視力がいい俺が見たんだぞ。
…てかさ、佐々木って読んでよ、俺も佐藤って呼んでるし。」
「へ?
……あ、うん。
佐々木くんね、了解。」
いやいやいや、
呼び捨てなんて無理無理無理。
みんな佐々木くんって呼んでるのに…私だけ佐々木、とか。
これ以上、私は変態になるわけにはいかないのだ。
「いや、だから佐々木だって。お前大丈夫?」
と、私が焦っているのにも気づかず顔を覗いてくる。
うわ、近い近い近い。
………けど。
佐々木くんの瞳って、キレイ。
キラキラしてて、吸い込まれそう。
目を見つめながら
「佐々木…?」
と私が言うと。
呼ばれた本人は、一瞬目を見開いて驚いた顔。
「…て呼ぶね?」
なんか、空気が変わったので慌てて付け足してみた。
「おう。」
小さい声でそういうと、佐々木くんは顔をそらして自分の席に着いてしまった。