花びらとともに、散りぬるを。


…ありゃ。私今何かしたかな。
佐々木くんが顔をそらすなんて珍しい。


けれど、
「ただいま~聞いて聞いて!」

という美帆の声で、忘れっぽいバカな私の頭からその出来事は一瞬にして抜けてしまった。









そして、あっと言う間に六時間目、数学の時間。

最近は前より更に授業が楽しくなった。

というのも、加藤くんが時々後ろを向いてくれるから。

…というか、いたずらしていくことが多い。


くるって向くと、折れたシャー針を机の隅においていき、前をむく。

そしてまた後ろを向き、『ニヤリ』と笑う加藤くん。


「いらないんだけどー…」

「俺もいらない。だからあげる!」

超にっこり笑う加藤くん。
めっちゃ可愛い。
そうするとやっぱり私は変態のようで、今度は照れた顔を見たくなる。


自分でもショックだけど、見たいものは見たい。

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