花びらとともに、散りぬるを。


すると佐々木は私を見て、


「こいつ、柚果。
一緒に帰ってもいい?」


…ですよね。

私が先に一緒に帰ってたけど…だからって約束してる訳でもないし。


橘さんのこと…呼び捨てにするぐらい仲いいもんね。


一緒に帰るのなんて当たり前、自然だよ。


むしろ、今まで私が一緒に帰れていたことが不思議。


「…私、今日美帆の家に用事あったんだ。
だから今日はいつもと違う道で帰るから、2人で帰ってもらえないかな?」


「だけどそしたら佐藤が……」


「すぐ近くだから。」

佐々木の言葉をわざと制して言った。


……今日でこの関係もやめた方がいいよね。


「色々と気遣い…ありがとう。」


……頭の中はぐちゃぐちゃだけど、お礼だけはちゃんと伝えよう。


「じゃあね。」

私は精一杯の笑顔で、2人に別れを告げた。



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