花びらとともに、散りぬるを。



「え……?


美帆はこの前の、あの2人を見てないから。他人事だから、そんなこと言えるんだよ。


そんな……ありもしない期待なんか、させないでよ……。 」


そう言うだけであの日の光景がサッと脳裏に思い浮かび、胸に違和感を思い出させる。


痛みのせいで、視界がぼやける。


涙がでるほど。

私は、いつの間にかこんなにも佐々木のことを好きになっていたんだね。




「確かに、晴華の気持ちなんか分かんない。

だって、私見てないもん。


でもさ、佐々木のこと、それだけ好きなんでしょ?


受験終わったら告白しようって思ってたんでしょ?


失恋しようとしまいと、大切なのは相手に気持ちを伝えて、自分の心の整理をすることなんじゃないの?


告白は、自分の為でもあるんだよ。」



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