花びらとともに、散りぬるを。



「とりあえず…。
先に、進路が決まっている皆さん、改めておめでとう。



君達に気を遣わせるのは申し訳ないんだが…。



受かってこれから教室くる仲間を盛大に祝福してやってほしい。


もちろん、君達も同様に努力して掴んだ進路だ。


ただなぁ…。
あいつらも先に決まっている人を見て…焦って、不安だったと思うんだ。


今日は…あいつらの人生全てが決まってしまう日なんだ。


落ちた奴に、無理に声はかけなくていいから。

落ちた奴には、落ちた奴にしか分からない気持ちがあるからな。



だから…な?


よろしく頼むよ。」



そう言うと、先生は深く頭を下げた。


先生の想いがひしひしと伝わってくる。


受ける生徒も辛いし大変だけど、見守る先生も辛いに違いない。





「任せてください。」




< 78 / 98 >

この作品をシェア

pagetop