花びらとともに、散りぬるを。
私は言った。
美帆も、佐々木も、他の友達やクラスメート…。
辛さが分かるからこそ、たくさんの人に「おめでとう」って伝えたい。
「当たり前じゃないですか。
先生、俺達割と仲いいんですよー?」
私の言葉に続いて、野球部で推薦で高校が決まっている八木。
「そうですよー」
そして、加藤。
何も言わない人もいるけど、気持ちはみんな多分同じ。
『仲間を祝福してあげたい』
『先生を喜ばせたい』
その言葉や様子に、
「ありがとう…」
先生はそう呟くと、目にうっすら涙を浮かべながら
「じゃ、SHRは終了。」
早口でそういって教室からせかせかと出て行ってしまった。
私達に涙を見せたくなかったんだろうな…。
私達の担任、青山。
まだまだ28と若いし経験も浅い先生。
でも、だからこそ私達と通じ合う所があるから、生徒はみんな青山のことを慕っている。