花びらとともに、散りぬるを。


まぁ…先生の涙は卒業式まで見たくないな。


なんて生意気なことを考えていると、後ろを振り向く加藤。



「ねー、ここ分からない。」

加藤が聞いてきたのは、私と同じ高校の、春休みの課題。


そうなんだよなー。
加藤と高校3年間一緒なんだった。



「加藤。」


私が質問には答えずに名前を呼んだから、加藤はびっくりして顔をあげる。


そのまま目が合ったらぷいっとそらされた。



「な、なに」


…ちょっと傷ついた。
可愛がっていた弟に反抗期がきて、ショックを受けるのって多分こんな感じなんだろうな。うん。



「私達、高校も一緒じゃん?」


気を取り直して本題に入る。



「うん」


「だからさ、
これからもこんな風に仲良くしてよね」




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