花びらとともに、散りぬるを。
青山が目に涙を浮かべる姿を見て、やっと“卒業”が近いことを実感する。
そしたら、寂しくなってしまって──。
何にも考えずにこんなことを言ってしまった。
「それ、どういう意味?」
また、加藤と目が合った。
今度は目をそらさないようで、じっと見つめてくる。
…私がそらしてしまった。
「…中学・高校が一緒な人なんて少ないじゃん?
しかも、中3を一緒に過ごした、そんな貴重な友人だから。
加藤がよければ…で…いいんだけど。
これからも仲良くしてたいんです。よね。はい。」
…本当はこんなこと言うつもりなかったけど。
加藤の目が、『正直に言え』と訴えているような気がして。
つい、ベラベラと本音を打ち明けてしまった。