花びらとともに、散りぬるを。



「…ふーん。」



興味がなさそうに相槌をうつと、加藤は私に聞いた問題を手に取りまた前を向いてしまった。


…やっぱり、いきなりこんなこと言われたら嫌だよね。



「ごめん、加藤…やっぱり何でもない」



大人しく詫びた私。



「何で謝るの?
別に嫌じゃないし。」



加藤は前を向きながらそうとだけ言うと、再び課題を解き始めた。



…それって、友達でいてくれるってことだよね。

……きっと照れてるんだろうな。くっ…可愛い奴め。



なんて余裕そうに言ってみたけど。


実はかなり焦っていた。


あれだけ素直に話してしまった、もう一つの理由。



それは────。




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