花びらとともに、散りぬるを。
…そんなの、嫌だ。
階段を急いでかけおり、リビングの扉を勢いよくあける。
「お母さん!」
私が帰ってきたからだろう、2人分の紅茶と焼き菓子をテーブルの上に並べている最中のお母さん。
「お帰りなさい!
どうしたの、慌てて?」
私の尋常じゃない焦っている様子に驚いているようだ。
「あのね、美穂が…!」
「美穂ちゃん?」
「美穂が落ちちゃって…で春に引っ越しするって…。
私……美穂の所行ってくる!」
そういい、部屋から出ようとした時に
「待って」
と呼び止められた。
「今、美穂ちゃんの所に行って、晴華は何をしたいの?」
「何って…話聞きたいこともあるし、励ましたいし。」
「…一緒にいてあげることも大切だけど、今の晴華には美穂ちゃんの気持ちを到底理解出来ないのよ。」