花びらとともに、散りぬるを。


私が返す言葉に詰まり、フリーズしてると


「目、開きすぎ。」


笑いながらそう言い残し、佐々木は男子の輪の方へ行ってしまった。



…ふう。


やっぱり、変わらない。


佐々木と以前話した時に味わった感覚と、変わらない。



気持ちは依然、変わってないんだな───。


佐々木と話す度に、何度も何度も自分の気持ちを再確認する。





変わったのは、佐々木。




「卒業式練習始めるぞ、廊下に並べ~」


青木が教室のドアから顔を覗かせて言った。





そう、佐々木だけ、変わった。






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