花びらとともに、散りぬるを。
「おはよ。」
私は眠そうな佐々木に小声で声をかけた。
「んー…?佐藤…?」
まだ寝ぼけているのか、目をこすっている。
可愛い。
それにしても、本当に私は恵まれてるな。
名字が近いから、こうやって隣で話せる訳だし。
可愛い寝起きも見れるし。
卒練大好きかも。
なんて考えてると目が覚めたのか、
「やっぱ頼りになるわ。
今日もさんきゅ。」
佐々木は笑顔で言った。
近距離でその笑顔を見てしまった私は体温が一気に上昇する。
久しぶりの胸の高ぶりだけど、この感覚に愛おしさを感じるほどだ。
すると、ボーッとしていた私に釘を指すかのように
「卒業生、起立!」
と声がかかり、慌てて立った私はバランスを崩して、
「おっと、危ね。」
佐々木に両腕をがっちりと掴まれ、後ろから支えてもらってしまった。