恋愛、友情。ときどき涙。2
音ちゃん……本当に杉山君とは話さないつもり?
もう……二度と?
それって私のため……?
でもっ……杉山君は音ちゃんのこと……
それに……こんなの嬉しくないよ……。
こんなこと……やっぱりおかしいよ。
何で音ちゃんが杉山君を避けなくちゃいけないの?
どうして……。
……私のせい?
……杉山君は教室を出ると、そのまま一回もこちらを見ずに廊下を歩いていく。
帰っちゃう……。
杉山君、帰っちゃうよ……。
「綾乃?どうしたの?」
「音ちゃん……」
「ん?」
音ちゃんが首を傾げる。
そんな仕草も可愛い……とか言ってる場合じゃない!
「私……やっぱり、ダメだと思うの!」
「え?」
「こんなの、おかしいよ!」
「綾乃……?」
「音ちゃんだって本当は分かってるんでしょ……?」
……音ちゃんは私の顔をじっと見たまま……何も答えなかった。
仲良しだったのに……
二人とも、すごく仲良しだったのに……
……ダメだよ、こんなの。
私……
「音ちゃん……ごめん」
「え……?」
「今日は一緒に帰れない!」
そう言い残して、私は走った。
廊下を走った。
「ちょっ……綾乃⁉︎」
後ろで音ちゃんの驚いたような声が聞こえてくる。
だけど、気にせず私は走った。
……杉山君の背中を追いかけて。