恋愛、友情。ときどき涙。2

あそこ?

と首を傾げたあたしに、「ついて来い」とだけ言って歩き出した杉山君。

その後ろを追いかける。


そして連れて行かれたのは……


「久々だよな、沢木とここに来るの」


……私と杉山君が仲良くなった場所でもある、屋上だった。


季節のせいか、やっぱり少し寒くて。

でもここから見える景色はあまり変わっていなかった。


「夏前はよくここでサボッてたよな」

「うん……そうだね」


懐かしいなぁ……。


杉山君は欄干に肘を置き、涼し気な顔で景色を眺める。


その横顔に胸が少し高鳴る……。


やっぱり……カッコイイなぁ……。


顔だけとかじゃなくて……その雰囲気というか、佇まいっていうか……

とにかく……カッコイイ。


「……ん?どうした?」

「あ、な、何でもない……!」


じっと見つめていたら、杉山君が不思議そうな顔で振り向いた。

は……恥ずかしい……。


……ドキドキと鼓動が速くなっていく胸をそっと手でおさえる。

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