恋愛、友情。ときどき涙。2
「……それで?」
「え……それでって?」
「いや、さっき沢木が言おうとしてたことだよ。
何か違うとか言ってたじゃん」
「あ……」
そうだ。
それを言うために来たんだよね……。
「あの……あのね」
「うん」
杉山君はじっと私の話に耳を傾けてくれる。
……初めてこの場所で話したときもそうだった。
私はいつもどこかオドオドしてて……スッとためらいなく自分の意見を言うことができなくて、
そうしてる間に他の人が話し始めちゃって……
って、そんなことばっかりだった。
だけど、杉山君は……いつもちゃんと私の話を聞いてくれる。
それは当たり前のことなのかもしれないけど、それが私にとってはすごく嬉しいこと……。
「あの……違うんだよ。
音ちゃんは……杉山君のことが嫌いなわけじゃないの」
音ちゃん、という名前を出した瞬間……少し動揺したような素振りを見せた杉山君。
すぐに何でもないようにしていたけど……でも、やっぱり杉山君は……。