恋愛、友情。ときどき涙。2
「どうしたの?」
「うん……」
何でもいいから言ってみなさい、という雰囲気が感じとられるアサちゃん。
アサちゃんはいつも頼りになる、お姉さんみたいな存在。
「……この前、杉山君と話をしたの」
「この前……あぁ、綾乃が帰る直前にどっか行っちゃった日?」
コクリと頷く。
音ちゃんと一緒にアサちゃんを待ってる途中で杉山君を追いかけていってしまった私。
あの後音ちゃんは私に何も聞いてこなかったけど……でも、何か言いたそうな顔はしていた。
「それで……それで、話したの。
音ちゃんが杉山君を避ける理由……」
「理由って……」
「私が杉山君のこと……好きだからって……」
アサちゃんは大きく目を見開いた。
パチクリと瞬きをして、驚いたように私を見つめる。
「え……告白したってこと?」
「……うん」
俯いたまま頷く私。
そんな私の頭を……アサちゃんは優しく撫でた。
「……そっか。
頑張ったね……綾乃」
「……でも、何も変わらなかったの。
杉山君も……避けられてる方が音ちゃんのこと忘れられて……その方がいいって」