恋愛、友情。ときどき涙。２

アサちゃんは黙ったまま私の髪をそっと撫でた。


「……杉山、綾乃の告白には何て？」

「付き合えないって……私のこと傷つけるからって……」


……杉山君らしい優しいフり方。

でも……そんな優しくされたら……諦めなきゃいけないのに諦めがつかなくなるよ……。


「……傷つけるから、か」

「アサちゃん……？」

「……ね、綾乃。
杉山はさ、誰にでも優しいわけじゃないよ」

「え？」


意味が分からず聞き返すと、アサちゃんは小さく微笑んだ。


「少なくとも、告白してきた相手にそんな気の持たせるような断り方するような奴じゃないよ」

「でも……」

「不器用だからねー、アイツも。
まぁ……音羽もか。
みんなもっと自分の気持ちに素直になればいいのに」


えーと……何のことやらさっぱり……。


「いい？綾乃」

「は、はい」

「綾乃はよく頑張った。
だから、少しだけあたし達に任せて。
あの二人、何とか素直にさせてみせるから」


あたし……達？

達って誰……？


そんな疑問が浮かんだけど、私は素直にアサちゃんの言葉に頷いた。