恋愛、友情。ときどき涙。2
海斗が今音羽のことをどう思ってるのかは分からない。
……そして、俺のことも。
音羽と付き合い始めてから、海斗とは話をしていない。
海斗はもしかしたらもう俺の顔なんか見たくないかもしれない。
でも……俺は海斗のことは嫌いじゃないし、いいヤツだと思ってる。
それに、音羽にとって海斗がどれだけ大切な存在なのか理解してるつもりだ。
だから、つまらない嫉妬や束縛で二人の関係を壊そうとは思わない。
俺は音羽も海斗も……二人の笑ってる姿が大好きだから。
「サッカー部で何かあったのか?」
だから……
「海斗が部長になったんです。
でも、海斗は……」
だから……もし海斗に何かあったなら、手助けしてやりたいと思う。
そんなの俺の自己中かも知れないけど……でも、不思議とそんな気持ちが沸き起こる。
それはやっぱり……相手が海斗だから。
「海斗は……その……部長とかそういうの好きじゃなくて」
「好きじゃない……?」
「……昔にちょっと……嫌なことがあって」
嫌なこと……?
いつもは明るい音羽がこんなに暗い顔をして俯いているぐらいだから余程のことがあったんだろう。
俺は少し緊張感を持ちながら音羽の次の言葉を待った。
……音羽はゆっくりと口を開き……そして……
「……チェリーシャワー事件です」
至って真剣な顔で……意味の分からない言葉を発した。