恋愛、友情。ときどき涙。2
「そうなの?」
「うん。
まぁ、小さい頃のトラウマ?みたいなものだったから、それ乗り越えたら平気だったみたい」
トラウマ……?
「そっか。
何か神田が音羽にすごい感謝してたから気になってたのよね」
「あはは、あたしは何もしてないよ。
してくれたのは湊先輩だから」
えっと……話の内容がよく分からない……。
私が困惑しながら二人を見つめていると、それに気がついた音ちゃんが私の方を見た。
「綾乃?」
「あ……えっと……杉山君、何かあったの?」
私が聞くと、音ちゃんは小さく笑った。
「悩み事が解決したってとこかな」
悩み事……?
杉山君が……?
「うーん……何か物足りないな……」
「音羽、どんだけ食べるの……」
思い出すのはこの前、掃除が終わった後に廊下でたまたま会った杉山君……。
あの時……杉山君、少しおかしかったよね。
だけど……風邪だって言ってすぐ行っちゃって……。