恋愛、友情。ときどき涙。2
「海斗にとってはトラウマだったのかもしれないけど……。
俺達は絶対海斗のこと裏切ったり、一人だけ責めたりしないからな!
何てったって俺らは海斗のこと大好きだからさ!」
神田君の言葉を聞いて、音ちゃんはまるで自分のことのように嬉しそうに笑った。
「やっぱ海斗のことは矢崎に聞くのが一番だな」
そう言って神田君は笑う。
……そうだよね。
そんなの……分かりきってることなのに。
なのに……どうしてこんな気持ちに……
何で……
「でも、俺ももっと海斗のこと知っていくつもりだから」
「うん。
陽太君も部活頑張ってね」
「おう!」
ニカッと笑って神田君は教室を出ていく。
……音ちゃんと杉山君は幼なじみで。
きっと杉山君はアサちゃんよりも音ちゃんのことを理解していて……
音ちゃんは神田君や三上君よりも杉山君のことを理解していて……
それは誰もが分かっていて……当たり前のことなのに。
何で……こんな……
こんな変な気持ちになるんだろう……。