恋愛、友情。ときどき涙。2
トイレに行くと言って、逃げるように教室から出てきてしまった。
私は廊下の壁に寄りかかりながら小さくため息をついた。
私の胸の中に残る罪悪感……。
「音ちゃん……」
私は音ちゃんの笑顔が好き。
だから、音ちゃんにはずっと笑っていてほしいのに……
私がこんなんじゃ……
……何で……
どうして……
杉山君が絡むと、私は……。
……結城先輩が好きだった頃もそうだった。
音ちゃんが結城先輩の話をする度に……
結城先輩が音ちゃんを優しく見つめているのを見かける度に……
胸がギュッと押し潰されそうな程……苦しくなった。
今も、それと同じような……。
じゃあ……私……杉山君のこと……。
私…………
「沢木?」
「えっ……」
……突然、今頭に思い浮かべていた人の声が聞こえた。
……私はゆっくり振り返る。
「杉山……君」