恋愛、友情。ときどき涙。2
杉山君は不思議そうな顔で私を見下ろしていた。
ど、どうしよう……!
まさかこのタイミングで杉山君が現れるなんて……
こ、心の準備が……!
「こんなところに突っ立って……何やってんだ?」
「え、あ……それは……その……」
上手い言葉が見つからなくて……私はそのまま口ごもる。
……でも、杉山君はそれ以上は聞いてこようとせずに、私の顔を見て優しく微笑んだ。
「もうすぐチャイム鳴ると思うけど」
「そ、そうだね……うん」
何でもっとまともな受け答えができないの……!
音ちゃんだったら……きっと明るい言葉の一つや二つ言えるのに……。
……あれ……。
……何で私……音ちゃんと比べてるの……?
比べる必要なんて……ないのに。
頭ではそう分かっていても……杉山君が目の前にいるのに、どうしても音ちゃんの存在が消えない……。
何で……どうして……。