恋愛、友情。ときどき涙。2
「沢木に用事?
何か伝えとこうか?」
「あー……いや、いいや。
……それより、アイツら何かあったの?」
「アイツら?」
空は俺の視線をたどり、質問を理解したように「あぁ」と小さく声を出した。
「よく分かんねぇんだよ。
沢木が一方的に矢崎を避けてるっていうか……」
あの温厚な沢木が……。
……向こうにいる音羽はそれはもう楽しそうに女子達と話しているように見える。
だけど……あれはきっと心からの笑顔じゃない。
……何となく分かる。
「初めは矢崎も頑張ってたんだ。
でも、さすがにアイツも落ち込んで……今じゃあんな感じ」
「………………」
……俺は無意識の内に女子の輪の中心にいる音羽をじっと見つめていた。
……何で俺……こんな遠くからアイツのこと見てるんだろ。
……てか、何で音羽ことを他の奴から聞いてるんだろ。
……昔は……昔なら、何かある度に俺に泣きついてきてたのに。
音羽のことなら何でも分かっていたのに。
………って。
……何考えてるんだろ、俺。