恋愛、友情。ときどき涙。2

……音羽にとって俺は家族。

兄妹のようなもん。

俺だって……そう思ってるつもりだ。


……湊先輩は別に気にしないって言ってた。

なら、前みたいに音羽に接すればいい。

俺だって音羽に今まで通りって言った。



……だけど、時々苦しくなる。


アイツを見てると……どうしようもなく苦しくなる時がある。


それをどうにかできない限り……きっと前のただの幼なじみには戻れない。



「海斗、お前……」


空が俺の視線の先を見て、何か言いたげに俺の顔を見た。


「………………」

「………………」


……無言。


空は多分俺が何を思ってるのか分かってる。

……俺も空が言いたいことは何となく分かってる。


だからお互い……何も言えなかった。


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