恋愛、友情。ときどき涙。2
振り向けば音ちゃんがショックを受けたような顔でアサちゃんを見つめていた。
「音ちゃん……?」
私が声をかけると音ちゃんはハッと我に返り、私の隣にいた三上君をなぜかアサちゃんの方へと押し出す。
「ほら、くーちゃん。
ちょっと甘い言葉の一つでも囁いて亜沙美をオトしてきてっ」
「は?何で俺が……」
「聞こえてるわよ。
ていうか、三上に甘い言葉囁かれたところでオチるわけないでしょ」
アサちゃんが呆れたような顔でそう言う。
「やっぱりそうだよね~……」
「……何か俺、地味に傷ついたんですけど」
三上君……ドンマイ。
「アサちゃん、用事あるの?」
「そうなの。
ごめんね、綾乃。
音羽の面倒よろしくね」
「大丈夫だよ。
音ちゃんの面倒は三上君がみてくれるから!」
いつもそうだもんね!
私が自信満々にそう言うと、隣にいた三上君が静かにため息をついた。
「いつから俺は矢崎のお世話係になったんだ……」
「よかったね、くーちゃん!」
「よくねぇよ。
ってか、矢崎のお世話係は湊先輩だろ」
……確かに、言われてみれば……。