恋愛、友情。ときどき涙。2

「沢木も矢崎も、それに海斗も。
何でお前らって自分の気持ちもっと外に出さねぇの?
そしたらこんなギクシャクすることもないだろうに」


外に……出す……。

そんなこと……初めからできてたら誰も苦労なんてしない。

みんな、外にぶちまけることのできない悩みの一つや二つぐらい抱えてる。

それに……


「……外に出したら……壊れちゃうかもしれないから」

「何が?」

「今の関係が……全部、崩れちゃうのが怖いから」


私がこの自分勝手な気持ちを告げたら……きっと音ちゃんはこんな私に幻滅する。

もう前みたいに楽しくおしゃべりできなくなっちゃうかもしれない。

そんな……そんなの……嫌だから。


「……今だって十分壊れかけてるだろ」

「でも……!
言わないままの方がいいことだってあるよ……」


自分の気持ちを全て表現することだけが良いことだとは思えない。

相手のことも考えて……一歩引くぐらいがちょうどいい。

だって、自分を押しつけすぎたら……ウザがられてしまうかもしれないから。

……嫌われてしまうかもしれないから。

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