恋愛、友情。ときどき涙。2
私が恐る恐る音ちゃんの方を見れば、ぱっちりと目が合った。
音ちゃんは私の目を見つめたまま優しく微笑むと、三人組に向き直った。
「あー……ごめんね。
ちょっとそれはできない、かな」
「え……」
みんなが驚いた顔で音ちゃんを見た。
音ちゃんはそんなこと気にせずにニコニコしながら口を開く。
「あたし、そういうの向いてないんだよねー。
ついポロッと言っちゃいけないこと言っちゃいそうだし」
「あー……確かに。
音羽、ドジだもんねー」
「ちょっ……ドジって……。
確かにそうだけど……。
でも、ごめんね、ユミ」
「ううん!いいの!
この二人が盛り上がってただけだし」
ユミちゃんはそう言って笑う。
「でも、杉山ってフリーなんだよね?」
「あ……うん。そのはず……だけど」
「ならユミ、いけるよ!」
「うーん……」
ちょっと困ったように笑うユミちゃん。
その表情は正に恋する女の子って感じでとても可愛らしくて……
きっと杉山君もこういう子が好きなんだろうなって勝手な想像をする度に胸が痛くなって……
……私はこの場にいたくなくって、そっと離れた。