恋愛、友情。ときどき涙。2
教室を出て、一人で廊下を歩く。
やっぱり……杉山君ってモテるんだなぁ……。
確かにカッコイイし、優しいし……。
女の子が惹かれるのも分かる気がする。
……私は?
……私は……杉山君のこと……。
「綾乃!」
名前を呼ばれて振り返る。
すると、音ちゃんがトタトタ!と私の方に駆け寄ってくるところだった。
「音ちゃん……」
あ……そうだ。
音ちゃんに謝らなくちゃいけないんだ……。
「音ちゃん、あの……」
「綾乃……ちょっとだけ時間……いい?」
「え?」
思わぬ音ちゃんの発言に私は少しビックリする。
そんな私の反応を見て、音ちゃんは小さく苦笑いをする。
「やっぱダメ……かな。
あたしと話したくない……?
でも、本当にちょっとだから。
ちょっとでいいから……」
「あ、ううん、違うの……!
私も音ちゃんに話したいことがあって……」
「え……あたしに?」
「うん……」
「そっか。
じゃあ……場所、変えよっか」