恋愛、友情。ときどき涙。2
「ってかお前、俺らじゃなくて湊先輩誘って行けばいいじゃん」
三上君がそう言えば、音ちゃんは首を横に振る。
「ダメだよ。
先輩、受験勉強中だもん」
あ、そっか……。
三年のこの時期にもなれば……もう勉強に精を出さなきゃいけないのか。
「でも、一応報告はしておいたよ。
綾乃と亜沙美とくーちゃんと海斗と五人でケーキバイキング行ってきます!って」
え……杉山君も……?
私の胸が高鳴る。
「そしたら何て?」
「いってらっしゃいって笑顔で」
私はもう一度教室の中を見回す。
……だけど、やっぱりあの人はいない。
うーん……どこか行ってるのかな?
「でも亜沙美が行けないとなると……あ、そうだ!
陽太君も誘おっと」
「結局前と同じメンバーかよ」
三上君が呆れたような声を出す。
それでも何だかんだ言って付き合ってくれるのが三上君だよね。
「……お前ら、ウチの教室で何やってんだよ」
……突然、聞き覚えのある声が聞こえる。
私はすぐに誰の声か分かって振り返る。
「杉山君……!」
私を含め、その場にいた全員の顔が輝いた。