恋愛、友情。ときどき涙。2
「……綾乃……」
っ………………。
音ちゃんの顔がさっきよりもずっと辛そうな顔になる。
私を見つめて……でも、何も言わなくて……
「ごめんなさい……」
私はただ訳も分からず謝っていて……
……音ちゃんの視線が、なぜだか痛く感じられて。
こんなこと言われて困ってるのは音ちゃんのはずなのに、
どうしたらいいのか分からないのは音ちゃんの方なのに、
……私の方が苦しくなって、音ちゃんの視線に耐えられなくなって……
「っ……ごめんなさい……!」
「あ……綾乃!」
……私はその場から逃げだした。
もう……耐えられなくて。
少しでも早く音ちゃんから離れたくて……
そんなことを思った自分にまた嫌気が差して……。
……走った。
走って、走って……とにかく屋上から離れようとした。
もう……頭の中はパンク寸前だった。