恋愛、友情。ときどき涙。2
「海斗、ちょうどよかった。
お前、矢崎にちょっと言ってやってよ。
ケーキバイキングなんて行けないって」
「ケーキバイキング?
また行くのかよ。
好きだな、お前らも」
「俺は好きじゃないっつーの!」
仲良さそうに喋る杉山君と三上君。
そんな二人の間でぴょこぴょこ跳ねてる音ちゃん。
「つーか、海斗もメンバーに入ってるみたいだぞ」
「は?」
三上君の言葉を聞き、杉山君は視線を下ろして音ちゃんの方を見る。
音ちゃんは満面の笑みで大きく頷いた。
「……マジかよ」
杉山君の顔色が一瞬にして変わった。
「絶対行かないからな」
杉山君はきっぱりとそう言い切る。
やっぱり断るよね……。
でも……
……行きたいな、杉山君と。
自然と私の中に芽生えるそんな気持ち……。
「あ、あの……!」
そして気がついた時には……声を発してしまっていた。