恋愛、友情。ときどき涙。2

……先輩は本当はどんな風に思ってたの?

あたしはこれでいいの?

……海斗だって、もしかしたら本当は……


……分からない。

考えれば考えるほど分からなくなってくる。


みんなの気持ちが……あたしには分からない。


「俺は……」


……先輩があたしを見つめたまま口を開く。


「俺は平気だよ。
……余裕ぶってるとか思われるかもしれないけど、でもこれが俺の本当の気持ち」

「え………?」

「そりゃ、付き合う前は不安だらけだったよ。
音羽、海斗と超仲良いし。
海斗のお前に対する気持ちも知ってたし。
……だから、嫉妬だってしてた。いつも」


……でも、と先輩は続ける。


「……今は信じてるから。
音羽のこと。
そりゃ、一緒にいる時間はまだ少ないけど……。
でも、それでも俺は俺なりに音羽を理解してきたつもりだ。
……違う?」

「先輩……」

「ま、音羽の気持ちが揺れて海斗の方へ行くっていうなら話は別だけど?」

「そんなこと……」


……あるわけない。

海斗のことは好きだけど、その好きと湊先輩に対する好きは違う。

あたしが好きなのは湊先輩ただ一人で……


「っ……先輩……」

「よしよし」


あたしより少しだけ大人で、いつも優しく見守ってくれて……

そんな先輩が……大好きで。

< 81 / 126 >

この作品をシェア

pagetop