恋愛、友情。ときどき涙。2
……先輩は本当はどんな風に思ってたの?
あたしはこれでいいの?
……海斗だって、もしかしたら本当は……
……分からない。
考えれば考えるほど分からなくなってくる。
みんなの気持ちが……あたしには分からない。
「俺は……」
……先輩があたしを見つめたまま口を開く。
「俺は平気だよ。
……余裕ぶってるとか思われるかもしれないけど、でもこれが俺の本当の気持ち」
「え………?」
「そりゃ、付き合う前は不安だらけだったよ。
音羽、海斗と超仲良いし。
海斗のお前に対する気持ちも知ってたし。
……だから、嫉妬だってしてた。いつも」
……でも、と先輩は続ける。
「……今は信じてるから。
音羽のこと。
そりゃ、一緒にいる時間はまだ少ないけど……。
でも、それでも俺は俺なりに音羽を理解してきたつもりだ。
……違う?」
「先輩……」
「ま、音羽の気持ちが揺れて海斗の方へ行くっていうなら話は別だけど?」
「そんなこと……」
……あるわけない。
海斗のことは好きだけど、その好きと湊先輩に対する好きは違う。
あたしが好きなのは湊先輩ただ一人で……
「っ……先輩……」
「よしよし」
あたしより少しだけ大人で、いつも優しく見守ってくれて……
そんな先輩が……大好きで。