恋愛、友情。ときどき涙。2
海斗side


「じゃあ、俺コーラな!」

「チッ……分かったよ、行けばいいんだろ、行けば」


陽太とジュースを賭けたジャンケンで負けた俺は渋々イスから立ち上がった。


「じゃあ、あたしはミルクティーで」

「……お前は自分で買えよ、小倉」

「いいじゃない、たまには。
ね?神田」

「そうだぞ、海斗。
女の子には優しくしないと」

「女の子……?」


……どこにそんなものが……

と思いながら小倉の方を見れば、物凄い形相で睨まれた。


「……何よ、何か文句ある?」

「……いってきます」


……つーか、小倉の分も俺が出すのかよ。

俺、今金欠なんだけど……。

ったく……しょうがねぇな。


「……はぁ」


小さく息を吐きながら俺は教室を出た。

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