恋愛、友情。ときどき涙。2
「っ……杉山……君?」
沢木が涙の溜まった目を大きく見開き、驚いた表情で俺を見た。
「どうしたんだよ……何かあったのか?」
「……な、何でもないっ……」
何でもないわけないだろ……。
そんな顔で何でもないと言われて「はい、そうですか」と納得できるわけがない。
……俺は今にも逃げ出しそうな沢木の腕をもう一度掴み直す。
「……音羽か?」
……頭の中に浮かんだ沢木の涙の原因であろう人物の名前を出してみる。
ていうか、今までの状況から考えると、原因はアイツしかない。
案の定、ピクリと沢木の手が動いた。
「……ケンカ、したのか?」
「……っ……杉山君には……関係ない」
「は?」
……確かに関係ないかもしれないけど、
でも……
「俺はただ心配で……」
「心配……?」
沢木が濡れた瞳で俺を捉えた。