恋愛、友情。ときどき涙。2
杉山君は少し驚いた様子で私に視線を向ける。
あわわ……わ、私、何で声出しちゃったんだろう……。
発してしまってから、焦る。
ど、どうしよう……何か言わないと変だよね。
……こうなったら……言うしかない。
「あの……杉山君も一緒に行こう?」
「え……」
「大勢で行った方が楽しいと思うし……ね?」
たったこれっぽっちを言うだけでなぜか胸がドキドキで……。
ただまっすぐ杉山君を見れなくて、あたしは杉山君の緩めたネクタイをじっと見つめていた。
「あー……そうだな……」
杉山君は少し困ったように笑いながら頭を掻く。
……やっぱダメ……かな。
「やっぱケーキはキツいよなー……」
……そうだよね。
何となく分かってはいたけど、どこか残念に思ってる自分がいて。
そんな自分の気持ちがよく分からなくて……。
……そんな時だった。
「行こうよ、海斗」
ぴょこぴょこ跳ねていた音ちゃんが杉山君に向かってそう言った。