恋愛、友情。ときどき涙。2
グラグラの感情のまま、私は教室に戻る。
教室には音ちゃんの姿はなくて、少しだけホッとしてしまった私がいた。
……今音ちゃんに会ったら、きっと私は動揺してしまう。
また……音ちゃんを傷つけてしまう。
「沢木」
突然名前を呼ばれ、ビクッと肩を揺らす。
恐る恐る振り返ると……そこにいたのは三上君だった。
「三上君……」
「矢崎は?どうしたの?」
「あ……それは……」
……そこまで言って私は黙りこむ。
何て言ったらいいか分からなくて……。
……でも、黙り込んだ私を見て三上君は何かを悟ったようだった。
「……話は……したんだな?」
……私はコクリと静かに頷く。
「……そうか。
……で、上手くいかなかったってわけか」
「……私が、悪いの」
「は?」
「音ちゃんは悪くなくて……。
……その、私が……」
ボソボソと喋る私。
そんな私を三上君は何か言いたげな顔でじっと見つめる。
……そして、大きくため息をついた。