恋愛、友情。ときどき涙。2

「アサちゃん?どうしたの?」


ウチのクラスに来るなんて珍しい……。

私から行くことはあってもアサちゃんから来ることはあまりなかった。


「三上が教室で熱く友情を語ってるっていうから来ちゃった」

「なっ………!」


そ、そうだ……ここ教室……。

慌てて周りを見回せば、何人かが興味津々な顔でこっちを見ている。


「うわっ……俺、恥ずかしっ……」

「照れなくてもいいじゃない。
結構いいこと言ってたし。
ね?綾乃」

「うん。
三上君、いつも良いこと言ってくれるよね」


同い年とは思えないぐらい、良いアドバイスをしてくれる。


「つーか、冷やかしに来たなら帰れよ」

「別にそれだけのために来たわけじゃないわよ。
杉山探しに来たの」


っ………!

杉山君……。

さっき手を振り払ってしまった時のことを思い出す……。


「海斗?来てないけど」

「……どこ行ったのよ。
あたしのミルクティー……」

「……そうか、海斗か。
アイツも何とかしなきゃな」

「何とかしなきゃっていうか、杉山が全ての元凶でしょ?
杉山がはっきりしてくれればすぐ終わる問題なのに」

「……まぁ、そうだけど。
……そんなにすぐ終わらせられる問題じゃないだろ、アイツにとって。
……きっと海斗が一番苦しんでる」


そうだ……私、杉山君に酷い事しちゃったんだ……。

謝らなきゃ……ちゃんと。


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