恋愛、友情。ときどき涙。2

「海斗?」


ボーッとしていると陽太に話しかけられた。


……そういえばあの後、結局コーラもミルクティーも買わずに戻ったんだっけ。

陽太は何か言いたげな顔をしていたけど、結局何も言わずにそのまま終わった。


「どうした?
そんな死んだ魚みたいな目して」

「……なんか疲れたなーって」


本当、疲れた。

何一つ良いことなんてない。


「……なぁ、陽太」

「んー?」

「俺……自分がよく分かんねぇ」


俺がそう言うと、陽太は驚いた表情をして固まった。

………何言ってんだ、俺。

そんなこと言っても困らせるだけじゃねぇか。


「あー……悪い、今のは……」

「海斗は海斗だよ」

「え?」


返ってくると思ってなかった返答に、思わず聞き返してしまう。

すると陽太は白い歯を見せてニーッと笑った。



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