思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜
思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜
世間はお盆休み真っ最中で、駅前の通りはいつも以上に人が溢れていた。
私は駐輪場から自分の自転車の鍵を開け、自宅へ帰る私は西村香澄。
通りを行く人は家族連れ、同窓会の集団、キャバクラの呼び込みに若いカップル。
いつもならジャケットを片手にしたサラリーマンが多いのに、今日は少し違う雰囲気。
つい先日まで猛暑の日和でうんざりな毎日を過ごしていたのに、この2、3日で夜の空気はずいぶん違う感じになった。
生暖かい空気にほんの少し冷たい秋の風が混じっている。
暦通りに秋が近づいている。
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