思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜
「いらっしゃい」
20分くらい経過した時だった。
暑い暑いと言いながら、一人のサラリーマンが私の横に座る。
「マリちゃん、生ひとつ」
「はいよ」
今読んでいる本は、数年前にベストセラーになった本だ。
数年間読む機会を逃していて、最近ようやく手に取った本だった。
一冊の中に幾つものドラマが交錯する様子が面白く、ベストセラーになったことも頷ける。
「香澄ちゃん、カボチャポテトどーぞ」
「ありがとう」