傾国



少年の言葉に、みるみる少女の表情が険しくなった。


腹を立てると言うより、むくれているような顔である。



「うるせぇな揮祥(きしょう)!なんでお前が私の席とやかく言うんだよ!」



「ここで俺に噛みつくんじゃねぇよ。というか、そもそも席なんて決める塾じゃないだろうここ」



「だって日当たりも風も一番ちょうど良いんだぞ!」


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