傾国
姜葉慶と範揮祥は、共に名の知られた秀才であるらしかった。
そのことを言うと、葉慶はきょとんとしていたが揮祥は笑った。
「でも礼も有名らしいじゃないか」
一日目の講義が終わって塾の門を出ようとした所で、ちょうど弓射場から帰ってきた若者たちに行き合い、熱烈な応援を受けたのだ。
「俺も葉慶も武術には縁がないから」
「すごいよなぁ。今日も弓射場行くのか?」
興味津々で礼を質問責めにする時、二人の呼吸はぴったりと合っている。
けれど彼らの旺盛な好奇心は純粋で、人を不愉快にさせることがない。