傾国



くるくると開かれていく紙の上に、礼の割札にくっきり書かれた、乙八の文字はまだ出てこない。



甲十八。



甲二十二。



甲三十。



甲三十九。



甲四十一。



甲四十六。



乙二。



乙八。














礼は自分の割札を見た。


隆々とした、乙八の文字。


再び門扉の紙を見た。


甲四十六。


乙二。



乙八。





口元が緩んだ。


通った。


皇太子付き武官に、及第した。



「ははっ……」



やった。



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