リア恋DASH!
「有川…」

「は、はい?」


「これ貰えないか?」


「え、でも、これあたしも貰ったものだから…」


「また食券一週間分やるよ。」


「ええ!


 だって羽鳥もうずっとお昼食べてないでしょ?


 あたしに渡しちゃったからなんじゃないの?

 そレに食券はまだ残ってるし。」



「じゃあ、何が欲しい?

 小遣いはもうあんまり残ってないから高いものはダメだけど」



そうだろうな、この間の美容院代も飲食代も全部出してくれたんだもん

彩夏の彼、トンちゃんみたくお金持ちならまだしも、

普通の高校生は、お小遣いは限界があるもんね。


「じゃあ、

 じゃああたしとデートして!」


「デート?」


「うん。」


「したいの?俺と?」

ひど、そんな怪訝そうな目をしなくたっていいじゃん。


「だって、あたしデートってしたことないんだもん。

 お金は割り勘でいいから。」


羽鳥は写真を見てから、

小さくため息をついて、


「いいよ。しようデート。」


決意したような声で言う。


仕方ない感がなんか切ない。


ちょっと傷つくなあ。





 


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