リア恋DASH!
「大河セクハラはいいかげんにして掃除やれ。
お前ゴミ捨ていって来い」
「ちぇ~、わかったよ」
渋々ゴミ箱を指にひっかけて持ち、足でゴインゴイン蹴飛ばしながら
教室を出て行く結城君。
はあ、助かったあ。
安心したら、
ホッとしてぶわっと涙が盛り上がった。
涙目になってるあたしを助けてくれたのは
言わずもがなの、羽鳥。
「お前も早く掃除しろ。
ぼやぼやするな、帰れねえんだよ。」
そう言って黒板消しを渡してきた。
「ん、ありがとう。」
「あんな奴に絡まれてんじゃねえよ…」
ぼそりと言った羽鳥がちょっと
怒り口調なのは
やっぱ掃除サボってたからだよね
「ごめん…」
羽鳥はぷいっと方向を変えると
ガタガタと机を運び出した。
あたしも急いで、クリーナーのスイッチを入れて
黒板消しをきれいにした。
視線は羽鳥を追いかけて…
あたしは完全に
羽鳥が好きだと確信した。
アニメのキャラ以外でこんな気持ちになったのって、
小学3年生以来だ。
あたしは羽鳥が好きなんだ。