リア恋DASH!
「じゃあね。」

そう言って2、3歩歩き出した時、


「羽鳥くんじゃない!あ、彼女と一緒なんだ?」

店から出てきたあの子が

嬉しそうに話しかけてきた。


「あ、私は帰るとこなんで、

 失礼します。」


「え?そうなの?

 予定なければ遊びにおいでよ。

 羽鳥くんに帰りに送ってもらえばいいじゃない。」


「へ?」


「あれ?言ってないの羽鳥くん?


 あたしたち家隣同士なんだ。


 前はよく遊びに来てたんだよ。」


隣同士なの?聞いてないし、

っていうか聞く必要もなかったけど、

そりゃあ、辛いねえ羽鳥。

「そうなんですか。」



「前は、来るなって言っても来てたのに、

 彼女が出来たら急に来なくなったのよ。

 現金よね~

 昨日ケーキ焼いたんだ、食べにおいでよ。」


「いやいや、遠慮しておきます。」


「そぉ?羽鳥君の好きな豆乳パウンドなんだけど、

 羽鳥くんは来る?」


「ん~俺は…」
「やっぱり行きます!行かせてください!二人で!!」

「おい」

「いいでしょ?」

羽鳥は渋々頷いた。


「わあ、良かった大歓迎。」


この人は天然なのかなあ、

羽鳥の気持ちも知らないのかな?


あたしという彼女がいる前で羽鳥だけ誘うってありえないでしょう?

あたしの視線に気がついてか、

彼女はニッコリと微笑んだ。

な、何…

なんか心の中見透かされてる気がする。

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