リア恋DASH!
羽鳥は、ぶぶっ

と吹き出して、


「おおげさな奴。


 でも、まあ、感謝して、飲み物くらいおごってよ。」



「おごるおごるお奢らせていただきます。」



なんだか、この券のおかげで、身構えてた私はバカらしくなった。


あたしは、自分の気持ちがわかんなくて、不安なんだと思う、

傷つくのも怖いし、

けど、せっかく羽鳥と一緒にいてくれるのに、

こんなじゃすごい失礼だし、ダメだって気がついた。



このあと関係ない友達に戻ったって

羽鳥は羽鳥だし、

あたしはあたしであるには変わりないんだもん。



せっかくなんだから思いっきり楽しんじゃおう。


「羽鳥楽しみだよう」

あたしが声かけると。


「おう、俺も、そんなすごいのだって知らなかったから、

 楽しみ。」

羽鳥が柔らかく笑った。


あ、あたしこの顔知ってる。


あの子と一緒にいたときの顔…








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